小さな花束 ~ある日の庭から~

「この花はとってもいい?」草が生い茂ってきた庭で草むしりをしていると、娘が後ろでむしった草からせっせと花束を作っている。それだけだとワンポイントになる花が足りないらしく「ラベンダーとってもいい?」「これは?」と聞きながらあっという間に素敵な花束を作ってくれました。

ワンポイントになる花、緑の葉っぱも必要…どこで覚えたのか何ともセンスが良い(←親ばかです)。考えてみれば近所の素敵な庭のある果樹園の奥さんがおしゃべりしながら庭の花を摘んで、よく花束を作って娘が小さい頃から持たせてくれる。そこから真似ているのだろうか。

娘が通っていた幼稚園でもたくさんの花を植えていて、一日でしぼんでしまう花をよく摘ませてくれて、色水を作ったり花束にしたりしておうちの人へとお土産に持たせてくれた。お弁当の時もいつも机に花が飾ってあったらしい。幼稚園選び、大切ですね。
娘が楽しそうに一人で遊んでいるのをいいことに夢中になって草むしりを続けていると「虫は殺しちゃダメだよ!ぜ~んぶダメ!」と言われました。殺すつもりはないけどなぁ…。
「ほら小さなクモがいるよ、気を付けてぬいて!」「本当だ」「ほら、むしった草の中にテントウムシがいたよ!」「大丈夫、明日虫が逃げてから捨てるから」「ムカデ!ママそっちへ行ったよ!」「気を付けて!」「これはなんだ?」「ハサミムシだねぇ」母と娘でそんな会話をしながら過ごす小さな庭での時間がとても幸せに感じられました。
 小さな頃から草花に触れ、そこへやって来る虫たちを可愛がる子どもの心が愛おしいです。自然から学ぶことの大切さを実感する瞬間でした。庭の草をつい抜いてしまうけど、虫さんたちのためにも少しはとっておいてあげなくちゃね。